2025.10.22
公開日:2025.10.08

地元のコンビニからはじまった私の仕事「リゾートバイトで気づいた接客の楽しさ」

地元のコンビニからはじまった私の仕事「リゾートバイトで気づいた接客の楽しさ」

地元コンビニから始まった私の仕事。リゾートバイトを通じて接客の楽しさに気づき、働く魅力や成長を実感した体験談。

リゾートバイトは、地域から地域へ移動しながら働くスタイルであり、ただの短期就労ではない。地元を離れることで価値観やキャリア意識が広がり、新しい自分に出会うことがある。齋藤さんもそこで「接客が好きだ」と実感したひとりです。

地元だけが自分の世界だった

山形の人口およそ11万人の町で、小さい頃からおじいちゃんに育てられ、自然の中で過ごすことが当たり前だった。「釣りのエサにするためにミミズを捕まえたり、昆虫探しをしたり、ザリガニを育てたり、季節ごとにブルーベリーやキイチゴを摘むのも日常の一部でした」

「近くに同年代の子があまりいなくて、遊び相手は大人ばかり。だから“外に出ていく”という発想がそもそもなかったんです」

高校生になると家の近くのコンビニでアルバイトを始め、そのまま卒業後も働き続けました。顔なじみのお客さまとのやりとりは安心できる時間で、特別不満もなかった。

「正直、このままずっと地元で暮らしていくんだろうな、って自然に思っていました」

友達のひと言で、扉が開いた

そんな日常の中で転機になったのは、友達からの誘いだった。

「リゾートバイトって知ってる?一緒に行こうよ」

初めて耳にした働き方に、齋藤さんは強く惹かれた。住み込みで働けること、地域を移動しながら経験を積めること、ホテルや旅館の接客に挑戦できること。どれもこれまでの生活にはなかった発想だった。

「聞いているうちにワクワクしてきました。地元から出たことがなかった自分にとって、すごく新鮮で『やってみたい!』って素直に思ったんです」

安心はあるけれど変化の少ない地元での毎日。その中で生まれた新しい選択肢が、次の一歩を踏み出すきっかけになった。

リゾートバイトで広がった新しい世界

最初の勤務先は山形にあるホテル。県内とはいえ、住み込みで働くのは初めてで、館内の広さやお客さまの多さに驚かされた。

「でも、不安よりも“新しい生活が始まるんだ”っていうワクワクのほうが大きかったですね」

同年代の仲間と一緒に仕事を覚え、お客さまから「ありがとう」と声をかけられる。その積み重ねが少しずつ自信になっていった。

次に向かったのは岐阜のホテル。ここでもさまざまな仕事を経験し、接客の幅が広がっていった。

そして現在は静岡のホテルで働いている。ここで心に残った出来事のひとつが、100歳を迎えたお客さまのお祝いだった。

「ご家族やお孫さんの笑顔を見て、『接客って、人の大切な瞬間に寄り添えるんだ』って実感しました」

さらに任されたのが釣り体験イベント。幼い頃、おじいちゃんと一緒にミミズを捕まえて釣りをしたり、ザリガニを育てたりした経験が、思わぬかたちで活きた。

「30人もの子どもたちを前に魚の話をしたんです。図鑑を片手に夢中で説明しているうちに、自分でも魚の知識が増えていくのを実感しました」

子どもたちが目を輝かせて話を聞いてくれたり、お客さまから「ありがとう」と声をかけてもらえたり。幼い頃に親しんでいた自然や遊びが、今の接客につながっている。そう気づいた瞬間だった。

おじいちゃんの言葉が背中を押してくれた

順調に思えたリゾートバイト生活でも、すべてがうまくいったわけではない。未経験の仕事だからこそ、最初はコミュニケーションの取り方に迷うこともあった。お客さまとの接し方に悩み、失敗して落ち込むこともあった。

「そんなときに思い出したのが、おじいちゃんの言葉なんです。『悪い人間なんていない!もし悪くみえてしまっているなら、それは良い人間の悪い部分を引き出してしまっているからなんだ』って」

おじいちゃんは他にも、たくさんのことを教えてくれていた。

「『感謝や謝罪はその日のうちに伝えろ』とか、『瞬間的な不安や怒りの感情をコントロールできる奴は強い』とか、『良いことも悪いこともお天道様は見ている。だから誰にも気付かれなかったとしてもいいことをしなさい』って」

思い返せば、その言葉のひとつひとつが、仕事の場面で支えになっていた。

「今、生きている上で大切にしていることは、全部おじいちゃんから教わったことなんです。つまづいても、あの言葉を思い出すと不思議と前に進めました」

新しい一歩を踏み出せたから

もしリゾートバイトを知らなければ、齋藤さんは今も地元のコンビニで働き続けていたかもしれない。けれど実際には、山形・岐阜・静岡と勤務地を移りながら、多くの仲間やお客さまとの出会いを重ねてきた。そこで得たのは、想像以上に大きな変化だった。

「接客ってこんなに人と深く関われるんだって気づけました。外の世界を知ったことで、自分の世界が一気に広がった気がします」

コンビニや地元にずっといることが、決して悪いわけではない。けれど齋藤さんにとって、リゾートバイトで外に出てみた経験は、自分の可能性を広げる大きなきっかけになった。そして何より“自分は接客が好きだ”という気持ちに出会えたことが、一番の収穫だった。

「次はどんな土地に行けるかなって、楽しみに思えるんです。不安よりもワクワクの方が大きい。そう思えるようになったのはリゾートバイトのおかげですね」

執筆者

リゾートバイトナビ

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編集部

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